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only one【完】

第12章 運命

「もう…誰にも遠慮しなくていいだよなぁ…」




確認するように隆史が呟く。
それがまた、切なさと嬉しさを増して行くように感じた。







「そうだね」










お互いの視線を合わせて、はにかむように2人で笑った。





幸せとはこう言うことを言うだろうと思う。

隣りには大好きな人が居て、笑っていてくれる。

本当に何もいらないと感じていた。

寧ろ、これ以上に今の私には望むことはないんだから……―











「晶」



「何?」



「もう遠慮しなくていいなら…」と隆史が私の髪を掬うように指を通してから、頬に手を添えた。

それがちょっとくすぐったくて、クスッと笑うと

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