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同窓生

第9章 離れた時間

お経が終わると食事になり、

おばあちゃん家に戻った。

大人は思い思いのことを話し始めたので、フラッと庭に出て離れに向かった。

携帯を見ると、敦くんからメール!

[ばあちゃん家着いたよ。離れてると寂しいけど、心はずっと美桜のそばにいるよ。]

思わず赤面……

それを見た克也が、間髪入れず、

携帯の画面を盗み見た。

「彼氏?」

『かっちゃん!見た?』

「どーかなー?」

『もー!絶対見たでしょ?』

「さぁね。写真、ねーの?」

『なんの?』

「彼氏のだよ。」

『見たい?』

「おぅ!見たいぞ!」

『んー……これだよ。』

「やべ!超イケメンじゃん!」

『うん。』

「お前、騙されてんじゃねぇの?」

『何が言いたいのよ?』

「こんなイケメンが相手にしてくれるわけねーべ?」

『そんなことないもん!』

「どーせ、おままごとだろー?」

克也が煽る。

『そんなことないもん!』

「ガキくさい恋愛してたら、彼氏に嫌われっちゃうぜ?」

『んー!もー!キス以上してるもん!』

そう言って、美桜はまずい!と言わんばかりに口を手でふさいだ。

「は?マジで?」

『何でもない!』

「何何?どこまでいっちゃってんの?最近の小学生はませてるんなー。」

『かっちゃんに関係ないでしょ!』

「まぁまぁ良いじゃないか!どこまでいってるのか教えてごらんなさーい?」

『しつこいよ!』

「ばーか。心配してんだよ!」

『は?心配?』

「あぁ。お前が男に泣かされたら、俺に言えよ!」

『敦くんは泣かせたりしないよ。』

「そーかよ。」

『かっちゃんは、彼女いないの?』

「俺のことはいーよ。」

『えー?教えてよぉ。』

「うっせー。」

『ねーねー?』

「だー!うっせー。」

そう言って耳を塞ぐ。

変なの。

そのとき、

「美桜、やめとけ。克也、失恋したて。」

そう、弥彦が言った。

『やっくん。そーだったの?ゴメン!』

「別に。いーよ。」

「よく言うよ。まだまだ傷は深いだろ。」

「その話は終わり!」

「そうだな。俺にも、美桜の彼氏、見せろ!」

ガッ!

奪われたスマホ。

『あぁ!やっくんまで!』

「本当にイケメンだな。」

「だろ?しかも美桜、もうこいつとヤっちゃったんだって!」

話が広がっていく。

「え?美桜!マジで?」

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