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久恋。

第7章 文化祭。



「『やった~!準備できた~!』」


夕方。

やっと教室のセッティングが終わり、原田ちゃんと喜んでいると



『相変わらず、年を感じさせないですね、村山先輩。』


後ろからイヤミを無表情で言ってくるのは…



「白山浩太!お前しかいない!」






……


………。


しまったー!
心の声がでてしまったー…

原田ちゃんはポカーンとしてるし、
白山君は呆れた視線を投げかけてくるし!



もうやだ…


ズーン…↓↓

となっていると、


『プッ!』


…??


『あははっ!

村山さん、見てて本当飽きないですよね!』


白山君が、顔をくしゃくしゃにして笑っていた。



かわいい…。

思わずジーッと見ていると、



『どうしました?先輩。』


笑いが収まらない、という様子で、でも不思議そうに聞いてくる白山君。



…あなたに見惚れていました。
なんて、口が裂けても言えないし、思いたくなかった私は、


「別に~。」


と顔を背けながら口を尖らせながらいうしかなかったんだ。








…このとき余裕のなかった私は、気づかなかったんだ。


その時、白山君が私を見て微笑んでいたこと。

そんな白山君を見て、
原田ちゃんがこっそり教室から出て行ったことも。

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