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陽だまりの家

第3章 欠落しているもの

今日、学校から家に帰ると姉の茜がいた

茜は私の部屋から漫画を漁り、ゴロゴロしながら読んでいる

今日は仕事が休みだったらしい

久しぶりに2人だけで話をした



いつもの様に仕事場の話をしたり、

「最近、どう?」

茜は私に会うたび、いつも同じ質問をしてくる

私に何かあったのか、心配して


私はそれにどれだけ救われたか分からない



途中から私の彼氏、渡の話になった

私はあまり自信がなかった

渡とは、高校1年生の時からの付き合いで

同じクラスだったのだが、今は別々のクラスだ



付き合うまで、はっきり言うと

渡には全く興味がなかった

その時は他に好きな人がいた

渡にも彼女がいた

まさか、渡と付き合うとは思ってもいなかった




中学生の頃、

好きで好きでどうしたらいいのか分からない位想っていた人がいた

その人とは、

2年生から同じクラスで

深く知っていくうちに好きになっていた

毎日、メールしたり

バカ騒ぎしたり

色々相談したり

一緒に帰ったり

彼の何気ない言葉や行動、

全てが愛おしかった

でも私は素直な態度がとれなくて、よく悩んでいた


だがその時は突然来たのだ

彼は人気者で、顔立ちも良かったせいか

学校中にある噂が流れた


彼に彼女がいたとー…


私は信じられず、直接本人に聞いた

彼はその噂を認め、

小学生の頃から彼女の事を想っていて

1年前に告白し、付き合い始めたと

嬉しそうに語った


彼女は、私の友達だった

学年で1番可愛いとも言われ、

頭も良し、運動神経も抜群だった


彼が急に、遠くに感じた





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