
暗闇で恋しましょう
第11章 まだまだどうやら子供のようで
数秒、そのまま見つめ合い、我慢の限界と目を逸らす既の所。
ひぃちゃんの顔は、思い切り近付いてきて、動けば唇が当たってしまう所。
ぴたりと止まり、唇が動く。
「こんなんで照れるようじゃ、“大人の女性”はまだまだ遠いな」
今の言葉、つまり、私のなりたかった者を察している……?
だけど、相手はひぃちゃん。察していたのは、そこだけではないらしい。
すっと離れたひぃちゃんから漏れた言葉。
「あの時のお姉さんとの会話、お前にどう見えてたかは知らねぇけど、別に俺、大人の女性が好きなわけじゃねぇよ」
ちゃんとしっかり、Whyまで見透かして下さった。
そして、その言葉、私は都合良く受け取る。
“お前はそのままでい
「まあ、お前はもう少し落ち着いた方がいいとは思うけどな」
い、訳では無いんですか。そうですか。
そうは言ったけど、都合良く受け取ったそれもあながち間違ってないことを私は知っている。
だって、そっぽを向くひぃちゃんの耳、仄かに赤い。
不器用なひぃちゃんの優しさ。
胸に抱きながら、ひぃちゃんに手を差し出して
「力が抜けたので、引っ張って、起き上がらせて下さい」
なんて言えば、小さく息を吐きながらも、ひぃちゃんは私を引っ張ったのだった。
ひぃちゃんの顔は、思い切り近付いてきて、動けば唇が当たってしまう所。
ぴたりと止まり、唇が動く。
「こんなんで照れるようじゃ、“大人の女性”はまだまだ遠いな」
今の言葉、つまり、私のなりたかった者を察している……?
だけど、相手はひぃちゃん。察していたのは、そこだけではないらしい。
すっと離れたひぃちゃんから漏れた言葉。
「あの時のお姉さんとの会話、お前にどう見えてたかは知らねぇけど、別に俺、大人の女性が好きなわけじゃねぇよ」
ちゃんとしっかり、Whyまで見透かして下さった。
そして、その言葉、私は都合良く受け取る。
“お前はそのままでい
「まあ、お前はもう少し落ち着いた方がいいとは思うけどな」
い、訳では無いんですか。そうですか。
そうは言ったけど、都合良く受け取ったそれもあながち間違ってないことを私は知っている。
だって、そっぽを向くひぃちゃんの耳、仄かに赤い。
不器用なひぃちゃんの優しさ。
胸に抱きながら、ひぃちゃんに手を差し出して
「力が抜けたので、引っ張って、起き上がらせて下さい」
なんて言えば、小さく息を吐きながらも、ひぃちゃんは私を引っ張ったのだった。
