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暗闇で恋しましょう

第12章 1つ、また、1つ 嫌な、こと

だってこの眠気、布団に入れば私は恐らく即熟睡。


そうなってしまえば、声は愚か、インターホンなど、ないに等しくなる。



「あと、寝るなら、布団、行けよ。立ち寝なんて器用なこと、出来る訳ねぇんだから」



もちろんですとも。


そのために、布団は片付けずにそのまま置いてあるんだから。



「じゃあ、布団行っていいぞ。俺、もう行くし」



いえいえ。


ひぃちゃんが外に出るまでがお見送りですので。


もう口を動かすのもたるいので、へにゃりと笑い、手を振ってその意思を伝える。


ひぃちゃんは、そう、と1言漏らすと、さっさと外に出、がちゃりと鍵を閉めた。


これもひぃちゃんの、優しさ。


意思を汲み取り、私が早く布団に行けるようはからってくれたのだろう。


だけど、私は欲なので思ってしまう。


そこの優しさ要らないから、是非、注意だとかは省いて欲しかった。


敢えて言わないけどもね。


そんなことより、やっと、やっと……


ゆっくり振り返れば、見える、布団。


おいでと私を手招きしているではないか。


これを行かずしてどうするというのか。

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