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暗闇で恋しましょう

第13章 情けない

謝ることなど、なに1つない。


自分を誘拐した男が怖くないなど、思う人がいるのだろうか。



いる訳、ないのに……



杏ちゃんの飛翠への想いの強さは、それを罪と謳ってしまう程。


どうして、ここまで想える人と、こんな形で出会わなければ、いけなかったのか。


何故、どうして……


どうして、杏ちゃんが………


出てくるのは、疑問や憤怒。


そればかり。


慰めの言葉1つ、出て来やしない。



「っ………」



自分の不甲斐なさに腹が立って仕方が無い。


ぎりっと歯を鳴らし、強く拳を握り締める。


自分の掌に爪が食い込むことなど、気にも留めず。


そんな俺に気付いたのか、はたまた自分の中の罪を消し去りたいのか。


俺の握り締める手を包み、杏ちゃんは言葉を、紡ぐ。



「水上さん……お願い…優しく、しないで……」

「っ!」



その言葉を皮切りに、俺は乱暴に杏ちゃんの服を捲りあげた。

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