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暗闇で恋しましょう

第23章 救われたんだ①

それどころか、男は目を輝かせ、言葉を紡ぐ。



「じゃあ、じゃあ!他の日なら、忙しくない日なら大丈夫?」



どれだけ考え、付き人があの言葉を練り出したのかなんて、純粋な子供には分からない。



“っ”

「?ねぇ、明日って」

“も、申し訳ございません!”



今なら痛いほど分かる。


あの時返答が出来ず、頭を下げた付き人の気持ちが。


だって、どうせいつ見せに行ったって



ぱんっ!!



両親の行動は変わらなかったんだから。



“またそんなもの見せに来て。○○○さんには見せてないでしょうね。そんな恥ずかしいこと2度としないで”



そんなこと、目を輝かせ聞く子供にどうやって伝えろというのだろう。

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