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暗闇で恋しましょう

第24章 救われたんだ②

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男がしゃがみ、どれくらい経ったのだろうか。


きっと時間的には然程じゃないのだろうが、体感はひどく長い。


何故って、あろうことか男子は男の隣に腰を下ろし、またも無言を突き通しているからであって。



もう、なんなの……本当………



いろんな感情が混じりに混ざりあった男の目に、涙が浮かぶ。



こんなことくらいで、泣くとか

ただでさえ、墓穴掘って恥ずかしかったのに

ダサすぎる……



よって泣くものか、とググっと堪えるけど、どうにも引っ込みそうにない涙。


ならばと念じも加えようとしたところで、ぽつりと聞こえた呟き。



“え?もしかして泣いてる?”



反射も反射。


男は反論しようと、思わず顔を上げてしまう。



「泣いてな」


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