
暗闇で恋しましょう
第4章 それは手の届かぬ場所に
「痛い痛い痛い!」
「どくか?」
「どくどく!!」
「手の力、緩めるか?」
「!」
バレてたぁあ!
あともうちょっとと思うと、なんとも諦められなくて、踏ん張ってたんだけど。
「ゆ、る、め、る、か?」
もっと指に力を込められれば、それは頷くしかなくなった。
信じたひぃちゃんは、両手の力をふっと緩める。
今の内の思考も遮ったが、痛すぎてそれどころじゃない。
ころんと身体を横に向けることにより、ひぃちゃんの膝から自分の頭をどかす。
そのまま頭を抱え、丸まる。
「うぅ.....痛いぃ....ぐわんぐわんするぅ....鬼ぃ」
「何が鬼だ。手に力入ってなかったら、もうちょっと優しくどかしたわ。この変態が。団扇で扇いでやってたのに。恩を仇で返しやがって」
「うぅう......」
いや、そう言うけどひぃちゃんや。
触って気持ちよくすれば、恩を恩で返せるのでは。
そして、あわよくば私も.....!
「ツボ押し、足りないか?」
「いいえ!!十分です!ありがとうございます!!!」
ひぃちゃんは私の心でも読めるのだろうか。
恐ろしや.....
