テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第28章 俺とあいつとそしてーー……






体が、温かい。


特に、なぜか右手が温かい。


寝落ちをしたのは覚えている。


この温かさが、その延長線と考え、導き出されたたった1つの答え。



私、まだひぃちゃんの腕の中?!



これは、確かめるしかない。


確かめて、幸福感を噛み締めるしかない。


すかさず、目を開けようとする衝動的な私を、冷静な私が食い止める。



相手はひぃちゃん

私が起きたと分かれば、抱きしめてる必要は無いと瞬時に判断し、私を離すでしょう



その光景がありありと目に浮かぶ。


それはならん。決してならん。


私は、出来るだけ長く幸福感を噛み締めたいのである。


とりあえず、衝動的な私を止めてくれた冷静な私に敬意を表す。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ