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暗闇で恋しましょう

第33章 だから、きっと、この涙は

涙を拭い、こちらを向くひぃちゃんとバッチリ視線が交わってしまった。


きれいだったとはいえ、泣き顔に見入っていた手前、なんとも気まずい。


この気まずさ、気付けば誰しも聞くことだろう。



“どうしたの?”

“泣き顔きれいで見入ってましたぁ☆”



言えるわけない!



頑なに言わなければ、それはそれで怪しさは増し、追求は深くなることだろう。


この気まずさ、ひぃちゃんに伝わる前になんとかしないと。


いや、そもそも勘がいいひぃちゃんのことだ。


もう気付いている可能性は大いにある。


だとしても、質問さえされなければこちらのもの。


とりあえず、ひぃちゃんの口封じ、と口を開く。



「ひぃちゃ」












「なんで、お前まで泣いてんの」







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