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肉食系な彼氏。

第5章 小さな羊と狼さん

「奏くん!なんで?なんで?
どこいっちゃうの?
すぐ帰ってくるんでしょ?」


涙目になりながらも
必死に歯を食いしばり
あたしを見つめる奏くん


「ねぇねぇどこいっちゃうのぉ…?」


いくら問い掛けても返ってこない返事。


何も言わず、ただ ただ
泣いているあたしを見つめていた


「美桜ちゃん、奏くんはね
お父さんのお仕事で遠くに
行かないといけないから、ねっ?」


先生があたしと奏くんの間に
入って、ああだこうだと
難しいことを説明してくれたが
耳に入らない


あまりにも切なく、
あまりにも厳しい現実が
幼いあたしに突き刺さった



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