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斉藤太一です

第12章 作戦

焦る気持ちと

罪悪感を

必死で抑えようと




僕は




ぎゅうっと

目を閉じた









目を閉じると




うれしそうな顔で
僕に
手紙を渡す
しずくが
脳裏に浮かぶ





そして




3通の手紙。









かすみからの手紙を

思い出していた。






暗記するほどに

目を通した・・・手紙







『私が

しずくを連れて

斉藤さんに
会いにいったら



何も聞かずに


話を

聞いてくれますか?』




聞くよ

どんな些細な事でも
聞きたいんだ




『ごめんね

しずく



最近の

私の口癖です



ママが


私で

ごめんね』




君は
何も悪くないよ

しずくは
あんなに
いい子じゃないか





『どうしても

妊娠してる事を
言えなくて


言えなかったから



もう

あの部屋に
行けなくなってしまって




後悔しています』





僕も




後悔しているんだ








込み上げそうな
涙をこらえて


僕は



目を開けて
しっかりと前を見た










後悔する









行かなきゃ



絶対に
後悔する





どうなってもいい







二度と
かすみに会えなくなってもいい




二度と
しずくに
おとーさんと
呼ばれなくてもいい









僕は






今日










君に会うんだ

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