斉藤太一です
第16章 ぶつける感情・吐き出す感情
嫌だ
僕は
しずくに
会いたいんだ
かすみとだって
ずっとずっと・・・
繋がっていたいんだよ
そう言いたいのに
僕から出た言葉は
「どうして・・。」
「・・・ごめんなさい・・
私が・・悪いの・・」
うつむいた
かすみの声が
泣きそうで驚いた
かすみのことが
心配になって
僕は
優しく
これ以上ないほど
穏やかに
かすみに
話しかけた
「恋人が・・いるの?」
「・・いない・・」
「大切な人が・・いるの?」
「・・・・・・」
黙ってしまった
かすみを
まるで僕が
せめているようで
胸が痛んだ
「かすみちゃん・・」
「・・・・・・」
「僕は
しずくちゃんが
好きだよ
もっと
優しくしてあげたかったし
もっと
会いたかったんだ
でも
もう
会っちゃいけないなら・・・」
君を
ふっ切れるほどの
言葉をくれないか・・
「会っちゃいけない理由を
教えてくれないかな・・・」