斉藤太一です
第18章 遅くなってごめんね、かすみ
「さっ……斉藤さん…」
僕の舌を感じると
かすみが
僕の腕を
ぎゅうっ・・と握った
緊張…してるの?
それとも
今日は
ダメな日なのかな…
それとも…
ふと
不安になって
僕は顔を上げて
かすみの頬を
優しくなでた
「ごめんね
・・・・大丈夫?」
かすみが
しずくの本当の父親と
どんな
付き合いをしていたのか
僕は知らない
昔、この部屋で
「私のことを
斉藤さんは襲わないんだね」
と、かすみが
言ったこともある
もしかしたら
こんなことを
するのは
怖いのかもしれない
そんな想いが
ふと
頭をよぎった