『斉藤太一です』第9章「あたし・・・帰るね」　97ページ

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斉藤太一です

第9章あたし・・・帰るね

「かすみちゃん・・・

好きな人と
結ばれることは
とっても
幸せなことだと思うんだ

でもね

相手の人が
自分のことを
愛してくれていなかったら

それは

とても
悲しいんだよ

僕が・・・

僕がそうだったから
分かるんだけどね

不思議なんだけど

愛がそこにあるかどうか

伝わるものなんだよ・・

・・セックスしてる時に

なんか・・そうゆうのって

感じちゃうんだ

寂しいセックスほど

悲しいものはないんだ・・・。」

かすみの手に

ぎゅっと力がこもった

「だから

好きな人と

じゃなくて

愛し合ってる人と
しなきゃだって

僕は思うんだ

好きだよって
手を握って

肩を抱いて

抱きしめて・・・

キスをして

そして

その先に

セックスが

あると思うんだよ

そんな時間のかかる
恋愛なんて

今時の若い子は
していないのかもしれないけど

僕は

そうしていた
恋愛が

今、思い出しても
いい思い出だし

ステキな思い出に

なってるんだよ」