テキストサイズ

いつか手をつないで歩こう

第6章 クリスマスの夜


「なんだか今日は、ひとりで食べるのが寂しくてね」

あ…そうだ。彼女と別れたって言ってたっけ。


私の返事を待つように、前野さんはじっと見てくる。

「あの、でも私」

「今日誕生日なんだ」


「誕生日…ですか?」

「うん。笑っちゃうだろ?」


「いえ…」

そんな…どうしよう。
寄りによってクリスマスの日が誕生日だと聞かされて。


一人で過ごすなんて、寂しいに決まってる。胸が痛い…。
せめて食事ぐらいなら。

「私で良ければ」


「ほんとに行ってくれるんだね?」

「ええ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ