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いつか手をつないで歩こう

第9章 地震


「きゃあーっ」

私は足元がおぼつかず、その場に崩れ落ちてしまった。
そんな私を、前野さんは上から被さるように守ってくれる。


「美雪さん!大丈夫だ、落ちついて」

「は、はい…っ」

私は目をぎゅっとつむり、不意の災害の恐怖におののいていた。


ーーーー

揺れは数十秒ほど続いたのだろうか。一瞬、エレベーター内が真っ暗に停電した後、非常灯の淡い明かりがついた。


「…治まったみたいだな」

私はまだ怖くて震えていた。

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