R:ラブデビゲ
第17章 死と生
麻実の中で光る命を…見とどけると…
デビは…ゆっくり…
瞳を閉じた――――――…
「あ…デビ…デビ―――…」
徐々に消えていく…
デビの―――――…
尾先…
すでに千切れた耳は…
麻実の胸元から…黒い灰のように…
カサカサ…と…風に流され…
消えていく―――――…
「あ…ダメ…消えちゃう…」
私は、デビを抱きか抱え…
おろおろするばかり…
ああぁ…私は…
何も出来ない――――…の?
「アイ様―――――――…」
はじめの声が…
聞こえた――――…
はじめを見ると――――…
天に祈りを捧げていた―――…
ああ…そうね―――――…
私だって…神の使い――――…
なんとかして見せる!!!
「はじめ――――…麻実を保健室に運べる?
無理なら、女子バレー部の男子マネージャー連れてきなさい!!」
「あ…アイ様は…?」
「神様に…文句を言いに行くのよ!」
私は、はじめの綺麗な頬に手を伸ばし……
麻実をよろしくね…
と、言い…翼を広げ―――…
天上界を目指した――――…
素手に…デビの尻尾は……
灰となっていた――――…