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エスキス アムール

第13章 トラップトラップ

【はるかside】



「はぁ。」


気の抜けたため息が
広い部屋に響いた。



「『はぁ。』
気の抜けた溜息が
広い部屋に響いた。

じゃ、ねーよ!!」


「復唱しないでよ!!」


「大野さん来たぞ。
風邪ですって言った。」

「…ありがとう。」


「…だけど、
その後ろにいた
アカリ指名の客を通したから、
確実に避けられてるって
思ったな。あれは。あはは。」


「ウソでしょ!?
バカじゃないの?!
そんなことしたら…!!
…あははじゃないよ!!」


「だって、
そこまでやれって
言われてないもーん。」

この赤髪野郎。
やってくれたな!!


もっと顔を
合わせづらくなっちゃったじゃないか。

なんて事をしてくれたんだ。
頭を抱える私を見て、
シュウは笑った。


「早く会っときゃいいものを
先延ばしにするからだよ!」



「もうオワッタ。オワリダ。」


「終わってねーよ!
お詫びのメールでも入れとけ!」


「もう出ていけよ…。」

「なんだよ、
約束は守っただろ!」

そう言って、シュウは部屋をでた。
扉がしまった、と思ったら、
また扉があく。


なんだよ!!


「こんな話しにきたんじゃなかった。
指名、入ったんだよ。


…変わったお客だった。
準備しとけよ!」


そう言うと、
シュウは今度こそ部屋をでた。

変わったお客なんか、
とってる場合じゃない。

早くメールしなきゃ。

















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