エスキス アムール
第32章 彼と実験
「みたかったなあしてるとこ。」
「は…っんん、やだ…っ」
「我慢できなかったの?」
その言葉に顔を歪めながら彼は頷く。
彼は今日も、自分でして
前だけじゃ足りずに、後ろにも触れたらしい。
その姿もぜひ見たかった。
良い声で鳴いたんだろうなと思うと
ゾクゾクする。
気持ち良かった?と聞けば
首を振って
「や、だ…もっと…っ」
と、腰を振って強請った。
そのお願いにお答えしてもっと奥をつくと
彼は、気持ちいいと何度も漏らしながら、喘いだ。
その後
彼は何度も何度も絶頂を迎え、
僕は彼が気絶するまで突くのをやめなかった。
高い家賃を払っているマンションだから、大声出したって聞こえないけど。
流石に今回は
波留くんの声が外に漏れていないか心配だった。
それほど、彼は乱れて声を上げて強請った。
気絶しては起きて
起きては気絶して。
最後に失神した時も、
身体はビクビクと動いて声が漏れていた。
もう、たまんないな。
もう、離れられない。
彼を抱く度に、触れる度に
独占欲がどんどん強くなる。
箱の中に閉じ込めておきたい気分だ。
だけど彼は、きっと。
僕から離れる日が来るだろう。
あの彼女の元に帰る日がきっと来る。
その時、
僕は、どうしたら良いのだろうか。
ちゃんと、彼を手放してあげられるのだろうか。