エスキス アムール
第45章 困惑と介抱
【はるかside】
「今日も大野さん休みっすか?」
「うーん、みたい。」
要さんたちの会話に、ドキリとする。
ここ最近、大野さんの顔色は優れず、改善されないまま何日も過ぎていた。
フラフラになりながら会社に来て、フラフラになりながら帰っていく。
要さんがいくら聞いてもなんでもないの一点張りで、何かがあるはずなのに口を開こうとしなかった。
「言い過ぎたかな、俺……」
「大野さんに何を言ったんですか?
……あ!もしかし……」
「お前は黙ってろ!!」
要さんは慌てたように、高峰くんの口を塞ぎ私を見てニコリと微笑む。
何か秘密があるのだろうか。
私には知られてはいけないような何かが。
そこに、彼のやつれた理由もあるのかもしれない。
「家にお見舞いにいきません?」
「いや、だめだ。
昨日行ったけど、移るといけないからって出てこなかった」
要さんの返答に違和感を感じた。
おかしいと思ったのは絶対に私だけだろう。
昨日、大野さんに会いに行っても彼の部屋には誰もいないはずだ。
うつるといけないからなんて、本人がいなければ誰が言うというのだろう。
と、少し考えてあの時計が頭をよぎった。
H.K……、
その事について聞きたくても、私だけが知っている事実だから、聞くこともできない。
でも要さんと高峰くんは何かを知っている。
「もう一回行ってみましょうよ」
「行く?
多分部屋の前にもいかせてもらえないと思うけど。
……はるかちゃんも行く?」
気配を消していたつもりだったのに、とうとう声をかけられてしまった。
ギクリとして顔をあげると、二人ともこちらを見ている。
今日は無理だ。
というより、ずっと無理だ。
早く帰らなければいけない。
それに、彼らが行くその部屋にお見舞いに行っても無駄足を踏むだけなのは私が一番わかっている。
大野さんはいるはずがない。
だって、彼は今、
私の家にいるのだから。
「今日も大野さん休みっすか?」
「うーん、みたい。」
要さんたちの会話に、ドキリとする。
ここ最近、大野さんの顔色は優れず、改善されないまま何日も過ぎていた。
フラフラになりながら会社に来て、フラフラになりながら帰っていく。
要さんがいくら聞いてもなんでもないの一点張りで、何かがあるはずなのに口を開こうとしなかった。
「言い過ぎたかな、俺……」
「大野さんに何を言ったんですか?
……あ!もしかし……」
「お前は黙ってろ!!」
要さんは慌てたように、高峰くんの口を塞ぎ私を見てニコリと微笑む。
何か秘密があるのだろうか。
私には知られてはいけないような何かが。
そこに、彼のやつれた理由もあるのかもしれない。
「家にお見舞いにいきません?」
「いや、だめだ。
昨日行ったけど、移るといけないからって出てこなかった」
要さんの返答に違和感を感じた。
おかしいと思ったのは絶対に私だけだろう。
昨日、大野さんに会いに行っても彼の部屋には誰もいないはずだ。
うつるといけないからなんて、本人がいなければ誰が言うというのだろう。
と、少し考えてあの時計が頭をよぎった。
H.K……、
その事について聞きたくても、私だけが知っている事実だから、聞くこともできない。
でも要さんと高峰くんは何かを知っている。
「もう一回行ってみましょうよ」
「行く?
多分部屋の前にもいかせてもらえないと思うけど。
……はるかちゃんも行く?」
気配を消していたつもりだったのに、とうとう声をかけられてしまった。
ギクリとして顔をあげると、二人ともこちらを見ている。
今日は無理だ。
というより、ずっと無理だ。
早く帰らなければいけない。
それに、彼らが行くその部屋にお見舞いに行っても無駄足を踏むだけなのは私が一番わかっている。
大野さんはいるはずがない。
だって、彼は今、
私の家にいるのだから。