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エスキス アムール

第47章 教え込まれたカラダ

【波留side】




はるかちゃんにパジャマを着せながらもなお、俺は混乱していた。

混乱しているから、はるかちゃんにパジャマを着せているのだと思う。

…というより、混乱したからはるかちゃんが気絶するまで刺激を与え続けたのだ。


混乱しているのは、はるかちゃんが抱きついてきたからでも、キスをしてきたからでも、服の中に手をいれてきたからでもない。

勿論、驚きはしたけど混乱する要因になったわけではなかった。


彼女が服の中に手をいれてきた時、それを拒否して彼女の手を取り組み敷いた。
本来であればその辺で止めるつもりだった。


だけど、俺はその辺りから自分の異変に気がついた。


何か、おかしい。
だけど、この状況も彼女も何もあの頃と変わっていない。

そう思って、彼女に吸い寄せられるようにキスを落としていった。
そして、彼女が望むように快楽を与えた。



彼女の身体は柔らかくて、触れれば反応し、可愛らしい声を出す。そして、妖艶な表情でこちらを見つめる。


なにも、あの頃と変わっていない。



木更津が俺の手首から時計を外し、荷物を持たされ締め出されるという仕打ちにあって、訳もわからなくて、だけど、電話をかけても家に行っても出てくれなくて。

俺は捨てられたのかもしれないと、思い始めている時だった。

あいつも俺が思っているのと同じくらい、俺のことを好きだったはずだって思ってた。
ニューヨークに来てからすごく束縛もされて、安心してた。


だけど、あいつの好きって、やっぱり俺の気持ちには負けるほど、小さなものだったのかなって。


そんなこと無いって言い聞かせながらも、だんだんそう思ってしまい始めている時だった。




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