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エスキス アムール

第6章 甘い体験






目を閉じていると、
囁かれた耳に、
柔らかい感触を感じた。


その感触は、

額に、

目に、

頬に、

だんだんと下がってきて、
目を開けると

大野さんは
優しい瞳を向けて、
唇が触れ合うギリギリのところまで近づいて来た。


ドキドキする。

こんなに
ドキドキするのはいつぶりだろう。

初めてじゃないだろうか。



目を合わせながら、
少しだけ首を持ち上げて、
唇を合わせると、
彼はやっぱり優しい瞳で、

優しい顔で、

微笑んだ。



今度は私に
大野さんが唇を合わせると、

それは首元までいき、
そこにも優しくキスを落とした。


さっきついた跡を、
癒すかのように這わされる舌。


「…ん…」


ジンジンしていたのが
嘘だったかのように、

気持ちよかった。


そうして
今度は手首を優しく握ると、
あとがついた場所にまた、

キスを落としていく。



こんなに優しい行為があるのだと、この時初めて知った。




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