テキストサイズ

エスキス アムール

第59章 依存性

【波留side】




びっくりした。
びっくりしたなんてもんじゃない。


木更津が顔も見たくないと言っていると矢吹から聞いた時から、ずっと調子が良くなくて。


今ものすごく会いたかった人が目の前にいたのに。


何を言われるのか怖くて、目があった瞬間に木更津の横を通り過ぎてしまった。



いいのかと高峰に聞かれたけど、全然良くない。



木更津がこんなに会社の近くにいたのは偶然ではないと思うし、もしかしたら俺に会いに来てくれたのかもしれない。



それなのに。


俺は無視してしまった。



もう終わった。


俺は会社についても呆然としていた。





もう、限界が来ていた。
木更津に抱きしめてもらいたくて仕方がない。

甘えたくて仕方がない。

抱いてほしくて仕方がない。



それなのに。
自ら、それから遠ざかることをしてしまうなんて。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ