先生、好き…
第4章 ピアニストと先生
『お疲れ様でしたーっ』
みんな次々と帰って行く。私は明日の本番に不安を覚えながらボーっとしていた。
『かおりさんっ!大丈夫ですか?』
『あー…りかちゃん。無理。大丈夫じゃない…』
この子はりかちゃん。一つ下ですっごくピアノが上手。
『ピアノ大変ですよね。頑張って下さい☆』
りかちゃんは優しい。
あ!… いいこと考えた☆
『ねぇ、りかちゃん。
明日、一緒にピアノ弾かない?ほら、右手と左手に分けてさ!』
実はゆり子先生にはダメって言われてるんだけどね(笑)
でも、ボロボロよりはマシじゃん!
『えっ!?
かおりさん、ダメって言われてましたよね!?』
『気にしない!お願い、りかちゃん!』
私は頭を下げる。
『和也先生にりか、聞いてきますね。』
そう言ってりかちゃんは和也先生を探しに行った。
私は音楽室の椅子に座って考え事をしていた。