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すべてはあの日から

第8章 対面

―――‐‐‐…

『ホテルの部屋を取ってる、そこで詳しい話をしよう』


エレベーターに乗り込み、最上階のボタンを押すと

「まさか断られるとは考えもしなかったよ…」

呆れた、と溜め息を吐く誠さん


「…ごめんなさい、私…好きな人がいるんです」


「ふぅん、だとしても 俺の方が有利だよね」

「…有利?」


到着を告げるベルの音が鳴ると、

さっさと歩き出す誠さんに 必死に付いて行く。


豪華な装飾の施されたドアを開き、私を先に入れる。


「綺麗…」


一面光の粒となって輝く夜景に 目を放せずにいると、

背後から そっと抱き締められ、耳元で囁かれる



「こうやって、触れられる」


甘く、

誘い込むような声。


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