甘い果汁
第1章 プロローグ
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「委員長~、帰りますね~お疲れ様でした~」
「はーい、お疲れさん」
「ちーっす」
「…お疲れ様」
次々と挨拶をし、皆生徒会室を出て行った。
「ねー亜衣ーまだ帰んないのー?」
「んー、あとちょっと…」
隣で猫のようにニャーニャーと鳴いている遼子。
「……………ねぇ、さっきから視線が熱いんだけど…」
「いいじゃあん、べっつにー」
隣の視線が熱い。それは、遼子が私を猫のようなまなざしで見ているからだ。
でも、いつものまなざしではなかった。
「…ねぇ、亜衣ー聞きたいことがあるんだけど」
「んー何ー?」
「昨日、悠ちゃんとヤったでしょ?」
私の、パソコンを打つ手が止まった。
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