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サイレントワールド

第7章 NEXT WORLD

「さぁ!新たな世界のルールを説明しましょう!」
やけにテンションの高いスーツを着込んだ男が話し出す。
「さて!この世界の名前は『スコアワールド』。その名の通り一定の得点を手に入れたらゲームクリア!はれてこの世界から脱出できます!」
そう話す男の姿は薄く透けていて実際には未来の目の前にはいないことが分かる。
「それではまずこの世界の君たちのパートナーを紹介しましょう!」
そう言い放つと同時に未来の肩に煙をあげて何かが出現する。
手のひらに入ってしまうほど小さな体。
その背中からは薄い羽が生えている。
(これって…。)
肩に乗ってこちらを見るその姿は…
「お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんがこれは『フェアリー』と呼ばれるいわゆる妖精です!!」
パタパタと未来の周りで飛んでいる『フェアリー』。
「この『フェアリー』。この世界のルールを全て知っています!質問すればなんでもどんな事でも答えてくれます…。私たち『オリンポス』のこと以外は。ただしそれではあまり面白みが無いのでいくつか制限をかけています…。一つ目は『フェアリー』は自発的にはこの世界のルールは教えてくれません!二つ目は『はい』か『いいえ』で答えられる質問以外には答えません!例えば『この世界から脱出するには一定の得点をとれば脱出できるのか?』という質問には答えても『一定の得点とは何点なんだ?』という質問には答えないということです。おわかりいただけたでしょうか?」
(なるほど…。)
「おわかりいただけたようなのでそれでは始めましょう!!」
『ち、ちょっとまてよ!』
どこからか声が聞こえる。
恐らくプレイヤーの誰かだろう。
『ルール説明はないのかよ!?』
「はい。私からはないです。詳しいことは全て『フェアリー』から聞いてください…。これもルールですから!…あぁ。最後に一つだけ。この世界には『ハンター』という者がプレイヤーたちの中に紛れ込んでいます…。この『ハンター』には会わないことをお勧めします。…命が危ないですからね。それでは!『スコアワールド』!スタートです!」
全てのフィールドに始まりのファンファーレが鳴り響いた。

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