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サイレントワールド

第13章 PARTNER&ENEMY VS DOG&MONKY

「くそっ!」
「きゃっ!?」
伊川を掴み横に跳ぶ。
直後
ゴッとバナナがさっきまで未来たちがいた場所を叩いた。
「ぐあっ!」
衝撃波が未来を叩く。
見ると未来のゲージは半分しか残っていなかった。
更にバナナがこちらに迫ってくる。
それを避ける。
また来る。
避ける。
それを何度も繰り返す。
(くそっ…。)
もう何度目かも分からないほどに避けて未来にも限界が来ていた。
遂に伊川が直撃を喰らうのを見て助けようとするが体が動かない。
何度も避けているうちに伊川との距離も離れてしまっていた。
直撃で体が痺れているのか伊川が立ち上がる様子はない。
速く助けなくてはと気だけが焦る中で闇猿のバナナがゆっくりと光り出す。
「う…。」
まだ伊川は動かない。
未来はようやく立ち上がったが距離が離れていて走っても間に合わない。
水人に助けを求めようとするが水人は闇犬に苦戦していた。
間に合わないと知りつつも懸命に走り出す。
闇猿のバナナが振り下ろされる。
(速く…!!)
届かない。
このままでは。
だから
(速く…。)
ただ速くと願う。
届かないと分かっていてもせめて少しでも…。












疾く。






「うおぉぉぉっっっ!!!」
ギュンッ
今までとは比べものにならないくらい速い。
加速する視界の中で今度こそ届く。
伊川を掴みそのまま走り抜ける。

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