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Gentle rain

第7章 心と体

日本酒の注がれたグラスを持ち、俺と森川社長と菜摘さんは、乾杯を交わした。

「うん、美味い酒だ。」

森川社長が美味いと言う程だ。

女将は余程、奮発したのかもしれない。

次々と運ばれてくる豪華な料理に、二人とも満足した表情だった。

やはりこの店に連れて来て、正解だと思った。


「こんなに美味しい店は、久しぶりだな。」

ふいに森川社長が、言葉を漏らした。

「気に入って頂けましたか?」

「ああ。十分だよ。」

森川社長のグラスが空いたのを見計らって、菜摘さんがお酒を注ごうとする。

それを受け取って、社長に注いだ後、菜摘さんにも注いだ。

「意外でした。菜摘さんは日本酒の飲めるんですね。」

すると菜摘さんは、真っ赤な顔をして、恥ずかしそうに俯いた。

「たまたま飲みやすいお酒だったからです。そうでなければ、普段日本酒は、飲めなくて。」


完璧な答え。

と、言いたいが今日のところは、素直に彼女の言葉を受け入れよう。

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