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Gentle rain

第7章 心と体

「だがある日、三科に会って……今まで我慢していたモノが、一気に吹き飛んだ。大学時代から知っている同級生。社会人になっても、お互いの夢を語る仲間。その想いが、俺の中にある不満を全て吐き出させてた。」


俺はせっかく太我が注いでくれたワインを、そのままにして太我の話に夢中になった。


「するとあいつは一言、俺にこう言った。『俺がおまえの会社を助けてやろうか。』」


三科が太我にそう言った情景が浮かぶ。


「天からの救いかと思った。『本当か?』と体を寄せたら、条件があると言った。」

「条件?」

「……美雨を、『おまえの妹を、俺にくれ。』と。」


それまで冷静になって聞いていた俺の胸の中が、途端にざわつき始めた。

そのざわつきは、だんだん身体中を駆け巡って、俺の中身を侵食していく。

それを止めるかのように、俺は注がれたワインを、一気に飲み干した。


「もちろん、冗談だと思った。あいつは大学時代から付き合っている彼女と婚約していた事は知っていたからな。」

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