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Gentle rain

第8章 優しい雨

顔もなんだかしばらく会わない間に、老けたような気がした。

「まさか、ここに来てくれるなんて、思ってもみなかった。」


でもその笑顔は変わっていなかった。

「ハハハっ!驚くよな。こんな姿になっちゃって……」

恥ずかしそうに、ボサボサの髪を頭で掻いている。

「もう少しで仕事に目処が立ちそうなんだ。そうしたら美雨に会いに行くよ。」

私は顔を両手で押さえた。

「って言うか、その前に風呂か!」


何一つ変わっていない。

仕事に一途で、真っ直ぐな敦弥さんが、そこにいた。

私がいるばっかりに、菜摘さんとの結婚を断って。

そのせいで、理不尽に会社の倒産の間際に立たされて。

それでも、敦弥さんは私の事を忘れないでいてくれた。


「連絡できなくて、ごめんな。」

一つも言い訳もせずに、私を気遣ってくれる。

「ああ、でも美雨の顔を一目見たら、なんだか元気が出てきたよ。」

変わらない気持ちを、私に伝えてくれる。

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