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同じ空の下で

第16章 決心

そうやって

今度こそ逃げ道を塞いだ


住むところも仕事も失えば

これからはない




決心したことで

ますます堕ちていく自分を
止める必要がなくなった



その事もあったし

自分の不安をそのままぶつけてしまって

心の休息の場所も無くしてしまった


その時は

相手を傷つけてしまったことの申し訳なさと

寂しさと辛い気持ちと


その他に

決心を伝えることなくさよならできたことは

良いことだったんだって

そう思って自分を納得させようとしていた



『自ら命を絶つと愛する人のもとには行けず、魂はさまようんだよ』



そう、この言葉があって

いつかその日が来るまで、どうにか生きていこうと思っていた


あの世があるとして

そこでも独りは辛いと思って

いつか、また家族と過ごしたいから

ずっと頑張ってきた



でも



これからあとどのくらいの時間
一人で頑張らないといけないんだろう…

自分の中では
自分を誉めてあげられるくらいには頑張ったつもりで


もう、十分で

この選択は許されるんじゃないかと思った










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