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第6章 Side Yuichi 3

「さて、始めるとしますか。」

全員車から降ろし、会場の敷地内の人気の少ないところに車を駐め、全員の無線機とつなげている親機を改造した助手席の下から出す。

そのとき、車の外で足音と誰かが話している声が聞こえた。

慌てて機械を元の場所に隠して、普通の車を装う。

すると誰かが窓を叩いた。

冷静を装って助手席側の窓を開ける。

「何か?」

「あの、許可証持ってますか?」

「え?」

「ここに駐車する車には許可証が必要なんです。」

そんなの、事前のリサーチでは出てきもしなかった。

「そんなこと、書いてましたか?」

「あぁ、今月からなんですよ。最近、何の用もないのに駐めていく人が多くて・・・。でも、まだこの制度も始まったばかりなんで、今回はここで許可証出しますよ。」

「お願いします。」

「じゃ、ちょっと外に出てきてもらってもいいですか?」

免許証とか見せるだけじゃないのか?と思ったけど、確かに助手席を挟んで会話するのも面倒だ。

そう思ってドアを開けて外に出ると急に首筋に痛みが走った。

「うっ・・!」

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