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ハル

第5章 座談会

「あら、気にしなくて結構よ。」
飄々と言ってのけた女性は、真っ赤なルージュを引いていた。
その、毒々しいほどの紅は、きれいに整った女性の顔をさらに妖艶に彩った。
「ハル様、どうぞこちらへ。」
若い政治家のことは目にも留めずに、燕尾服を身にまとった男は女のために椅子を引いた。


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