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The man suitable for me

第5章 彷徨

笑いそうになるのを、堪えていると、また、通話が切れた。

そして、彼からメールがきた。

『彼女と、話してもらえますか?』

『はい』

一言返すと、電話がかかってきた。

彼女の声が、響きわたっている。

彼女と話すような、感じではない。

ただ、聞いているだけだ。

聞いていると、おかしみが増してくる。

私はちょっと嬉しかった。

彼の声が聞こえないことで、彼がメールを普通に送ってくれていることで、彼女との関係に、溺れているわけではないと、感じられたから。

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