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Tears ~緑のしずく~

第5章 恋模様~再会~

紅茶の入ったカップから
 立ち上る湯気の向こう側

あなたの顔が
 にじんで見えない

 溢れる涙が流れ落ちないうちに
私から先に行くわね

 大好きだった、あなた
 あなた以上に愛せる男なんて
 たぶん これからもいないでしょう

 もし最後に
一つだけ
わがままをきいて貰えるのなら

 あの花がその年初めて咲いた日だけは
 私を思い出して

 薄紫のリラの花が咲くその季節に

あなたを大好きだった・
 一人の・女がいたことを

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