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風俗嬢フウカの「つれづれ日記」

第12章 パッションを去る

Tさんは私を気に入ってくれていて、
「お店だけでなくてさ、
外でデートしようよ」

「今度僕の家に
遊びにおいでよ!
ほら、これ、カギ!」

等々、誘う方でした。


「じゃあ、いつかパッションを
辞めたら、その時は外で会お~」


仕事ですので、
お客さまの気分を害さないよう、
私は、そう、いつものパターンで、
お誘いをかわすのですが、


でも心の中は、どうしたわけか、
いつも、モヤモヤしていました。

「せっかくのTさんとの
デート、断っちゃった…
どうして断って、それで本当に
いいの?」


今思うと、
私はTさんのことが
好きだったようです。

私にとって、Tさんは、
他のお客様とは、違いました。


Tさんに対してだけは、
他のお客様以上の感情を
持っていたようです。


私は揺れ動いていました。

「いやいやいや、
Tさんはお客さんだよ。
なに、お客さんに
恋心抱いてるの?

風俗嬢を口説く男と
付き合うの?

今はTさん、私だけを
見てくれてるかもしれないけど、

私に飽きたら、
今度は他の風俗嬢を口説くんだよ

そんなの目に見えてるじゃん」


それに、私、実は以前にも、
一人、お店の外でお客さん(Hさん)と
デートしたことがありました。
(もちろん店長には内緒で)

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