
百鬼夜行左藤家黙示録
第12章 激闘雀鬼
私は義明から渡された双眼鏡を掴み
向かいのビルの雀荘を覗きこむ
しかし私にはすぐに義男が見当たらなかった
日本酒の瓶を見てようやくわかったのだが
それもそのはずである
「えっ?何あの姿勢の良さは?」
後ろ向きからでも確認できるほどに
ピンと伸びた背筋
それにあの慣れた手つき
普段の状態からはとても想像出来ない
だが本当に驚いたのはそのあとだ
「っ!?おい!手牌が入れ替わったぞ!」
義明も驚き私から双眼鏡を奪う
「なに!?こりゃイカサマだろ!」
その時私はひとつの仮説を立てていた
