
百鬼夜行左藤家黙示録
第7章 正月の憂鬱
「ん!?なにこれは?
まさか泥棒でも入ったの!?」
羽蛾の母親は家の中を見て驚く
するとそのタイミングに同調して
押し入れから出てくる
「ふーっどうやら泥棒は
そこの窓から逃げ出したようですね!」
「えっ君は誰!?
なんでここにいるの!?」
「これは失礼しました
僕は羽蛾君のクラスメイトの左藤義明です
不審な男が侵入するのを見たので
捕まえようと押し入れから
機を伺ってたのですが
先程のドアの開く音で逃げ出したようです」
「ホントに?
ところでこの料理は?テレビもついてるし
泥棒にしては随分緊張がないみたいだけど」
「はいそうみたいですね
本当に図々しい奴でした!」
嘘八百を並べて翻弄し
義明の疑いははれそうになったその時
「ピンポーン」
「奥さん帰って来たのね!
聞いたわよ!長男さん
東大受験するんですってね!」
