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遠距離愛

第5章 始まってしまった

「こっち向いてよ?顔見せてよ?」
ダメ恥ずかしくて顔なんて見せられない。
確かに昔から知ってるはずの同級生。
でも出会ったばかりの人と同じ。
なのに、体を許して、あんなに感じてしまうなんて…

後悔してるわけじゃないけど、頭の中はまたもプチパニック状態だ。

「俺さ。柚木さんのこと中学の時に気になってたんだ。
一目惚れってやつなのかな?
最初は可愛いなって思ってたんだけど、意外と天然で抜けてるところや、なのに言うことはハッキリ言えたり。
弱いのか強いのか?そのアンバランスなところがどんどん気になったんだよね。」
「オマケに見た目はヤンキーなのに優しい人でさー
まぁ、人は見た目によらないって言葉あるしな。」

ぶっ
たまらず吹き出した
だってそれって、同窓会の時に私があなたに思ったセリフだよ?

急に笑い出した私を不思議そうに見つめながら、自然と彼も笑顔になっていた。

「やっぱり知紗は笑顔が一番似合うよ」

え?今、知紗って?

「俺と付き合って欲しいんだ。順番逆になっちゃったけど…」
照れ臭そうに、でも真っ直ぐ目を見て彼はそう言った。

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