テキストサイズ

遠距離愛

第7章 知紗と圭太

それからは、食事も食べられない、眠れない、
とにかく外が怖い。
誰にも会いたくなかった。

結局高校も休みが続き自主退学となった。

親からは厳しい言葉を浴びせられ
苦しみの上に苦しみがのしかかっているような毎日だった。

そんな時に圭ちゃんが訪ねて来た。
変わらない笑顔で「知紗!」って呼んでくれた。

元々少しぽっちゃりしていた体は痩せこけ、目の下は真っ黒、病人のような姿の私に変わらない笑顔
その笑顔を見たらずっと泣けなかったのに瞳からはダムが決壊したかのように、とめどなく涙が溢れた。

「圭ちゃ…ん」夢中で抱きついて泣いて泣いて泣き喚いた。

気がつくと、圭ちゃんのアパートの天井が見えた
眠っていたみたいだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ