
君のそばに
第1章 君の声
......ッ
.........ジ
...フ......ジ
フジ!!!
フジ「 へぁ!? 」
キヨ 「 へぁ?何だお前、人の部屋に来といていっちょ前に寝るなんて一万年と二千年はぇーんだよ 」
フジ「 なんか歌詞入ってるんだけど!」
俺達はそんな他愛もない話して、一緒に笑う。
キヨ 「 っんー、今日はなにすっかー実況はもう溜めてあるしすることねぇな 」
キヨはがちゃがちゃと、ゲームのカセットを片付け始めた。
フジ「 たまには、普通にごろごろしようよ、最近キヨ忙しそうだったし 」
俺もキヨの片付けの手伝いをする。
ふっ、と隣を向くと顔が近い。
キヨのまつ毛、長いなぁ...。
キヨ「 ん、よし、まぁーこんなもんだろ 」
そう言ってキヨはソファに寝転がった。
アレ、なんかちょっと傷ついたなぁ
キヨ「 ...お前、つったってないで座るとかなんかしろよ 」
フジ「 へ?あ、そうだね、ぼーっとしてた 」
キヨ「 しっかりしろよジーフー 」
...だめだ、今日はなんか調子がおかしい。
キヨと2人って久々だからかな?
でも、俺の恋心がバレたら嫌われてしまう。
実況すらとれなくなる。
...そんなのいやだ。
キヨ 「 フジ 」
フジ「 !? 」
キヨのおっきい手が俺の額に触れる。
ひんやりして気持ちがいい。
...なんで、なんでこんな苦しい思いしなきゃいけないんだろう...。
キヨ 「 なんだ、熱あると思ったらねぇじゃんかよ 」
フジ「 熱なんかないよ! 」
俺はそっとキヨの手をどける。
これ以上、触れられたら気が狂いそうだ。
キヨ 「 ...ッ、あっそ 」
違うよ、キヨ、そっぽ向かないで..。
...あれ、今キヨ傷ついた顔してた?
キヨ 「 お前なんか今日変だぞ、帰れよ 」
キヨは俺に背中を向けて漫画を読み始める。
フジ「 ...!なんで..」
キヨ「 俺、急用あったし、今日は帰れって 」
フジ「 そ、そうなんだ!じゃあ帰るね 」
やばい。
辛すぎる。心臓の音聞こえてないかな。
フジ「 じゃあね!また今度! 」
俺はそそくさと立ち去る。
