センシティブ♥ボーイ
第10章 セフレなんです
「痛いの、好きなんだろ?」
「ちが…うっやだっ…やだぁっ」
「うるさい」
怖くなってぎゅっと目を瞑る。
どうして、鈴木くんが怒っているのかなんて、考えられなかった。
手で顔を覆う。
嗚咽が止まらなくて、音楽室に僕の泣き声だけが響いていた。
「やだよ…すずきくん…」
初めて鈴木くんを本気で怖いと思った。
お尻の穴にあてがわれているものを鈴木くんがぎゅっと押し付けた瞬間、
「―――――ッ」
「……すずきくん…?」
何も起こらない。
ゆっくり恐る恐る目を開ける。
「萎えた。帰る。」
鈴木くんは勃ったままのアソコをパンツにしまった。
そして僕に体育着を投げつけて言う。
「俺は…っお前のこと、一度だってセフレだなんて思ったことねえよ……っ」
静かにつぶやいたその言葉が。
壁に跳ね返ってそっと、響いた。
その跳ね返ってきた言葉をもう一度聞いているうちに、僕は教室にひとりぼっちになっていた。