センシティブ♥ボーイ
第21章 好きだってば
「……」
「……うっ……ひっく…ぅ」
あー…やべぇ……
両想いってこんなに嬉しいんだっけ。
男とか女とか、人間関係ねえんだよ。
俺は佐藤が好きなんだ。
「とも…だち…で……いいから…っいっしょに…いたい…っ」
もう目ぇ腫れてる。
ゴシゴシ拭きすぎなんだよ。
だから言ったのに。
佐藤の顔を包んで、親指で濡れた頬を拭った。
佐藤は、嗚咽をくり返しながら泣き腫らした目で俺を見つめた。
お願い、と懇願するみたいに。
「友達なんて、嫌に決まってんだろ」
「え…ぅう…っ」
もう、友達なんて言わせない。
セフレなんて、願い下げだ。
またボロっと涙がこぼれてしまったので、その涙を舌ですくい取る。
「俺も、お前のことが好きなんだから」
そして、そのまま唇を下にずらして、そっと、口付けをした。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える