センシティブ♥ボーイ
第22章 蛙はカエル
こ、これって…っ
さっきのやつじゃん!!
こいつ天才か?!
頭いいところ佐藤からもらったのか?!
二人分のセリフ完コピかよ!!
まずい。
まずいぞ。
こんなの世間的にもまずいし。
インコの道徳上もよくない気がする。
第一、こんな言葉覚えたやつがもし脱走とかしたらどうすんだよ。
迷いインコが喘いでいますなんて、まじで飼い主出ていけねーだろ。
YouTubeなんかにアップされたら佐藤の家もろとも地に落ちる。
「お、おい!!そんな言葉、カナちゃんの前とか…ましてや佐藤の親の前で使うなよ?!
もし使ってみろ!お前マジで生きていけなくなるからな?!佐藤の立場がなくなるってことはそういうことだかんな?!」
一気に捲し立てて、空気を取り込む。
あんな一瞬で二人分のセリフ(片方は嬌声)を完コピできる脳があんだから、
これくらいの話、わかるだろ。
てかわかれ。
「な?!わかったよな?!」
「……………ハヤスギ」
「生意気言ってんじゃねー!!」
首を傾げるカエルと、跪く俺。
ぐっすりと眠る可愛い佐藤…。
煌めく星々…
こうしてカエルはまた新しい言葉を覚えた。