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センシティブ♥ボーイ

第26章 ちょっと距離を置こうか。

【聖司side】





「マサぁどう?調子は…」

「どうもこうも…吐きそう」

「急にお勉強なんてするからだ。何事もほどほどにって言うだろ?」



坂本とツルが話す言葉も頭の中で響いてきもち悪い。
連日の深夜に及ぶ勉強で、俺の貧血具合はMAXだった。




「それにしても聖司が受験なんてな。
姉ちゃん驚いたろ?」

「まだいってねーよ…」

「え?!マサ、母さんにいってないの?!
普通親に言わない?!」

「家にいねーんだよ」



最近海外に仕事に行っていて、ほとんど会うことがなかった親もめっきり会わなくなった。

だから当然いう時もねーし。



「でもさ、サトゥーのためって…何で大学受験がサトゥーのためなの?」

「…佐藤のためって言うか…俺のため?
俺…どーでもいいと思ってたけどさ、あいつがちゃんとした学校行ってちゃんと就職すんだったら…俺も…ちゃんと見合う男に何なきゃって思っただけだよ」

「………」

「なんだよ。ニヤついてんじゃねーよ」




頭が痛くて怒る気にもなれない。
ニヤニヤしてこちらを見つめる二人を無視して布団に潜り込んだ。



「でも秘密にしてんだろ?別に秘密にする事ねーのにな?ツル」

「そーっすよね?」


佐藤には俺が受験するようにしたことをまだ話していない。
八月の模試をうけて結果が出たら、伝えようと思ってるだけだ。


なんていうか、サプライズ、みたいな。









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