センシティブ♥ボーイ
第26章 ちょっと距離を置こうか。
「すずきくん…っうそだよね…っ」
転びそうになりながら必死に追いかける。
鈴木くんはファミレスの中に入っていって、窓際の席に座った。
ドリンクを持ってくると、何かを広げて書き始めた。
なに…してるんだろう…
その表情は真剣だ。
僕…鈴木くんの前に座りたいな…
まだデート…したことない…
デートしたらあんなふうに向かい合って座って…一緒に美味しいご飯食べるんだ…
鈴木くんは…何が好きかな。
映画とか見に行くのかな…
かっこいい鈴木くんを見つめながら少し経った頃。
鈴木くんに声をかけた人がいた。
鈴木くんは振り向いて、すぐに席に着く。
その顔は笑っていて。
さっきまで真剣だった表情は緩んでいる。
その笑顔に僕まで笑いそうになったけど、鈴木くんの目の前に座ったその人を見て、血の気が引く思いがした。